【イラストでわかる】超新星爆発のしくみ
みなさんは超新星爆発をご存じですか?超新星爆発の光は凄まじく、銀河にも匹敵します。この記事では、超新星爆発のしくみについてくわしく解説します。
恒星の進化
超新星爆発は、星の進化と密接に関わっています。そのため、超新星爆発の理解には恒星の進化の知識が欠かせません。ここで簡単に解説します。ご存じの方は読み飛ばしてください。
恒星は星間ガスから生まれ、その後様々に進化していきます。どのような命運をたどるかは恒星の質量によって決まっています。進化の過程は大きく分けて次の4通りです。
・太陽質量の0.08倍の質量以下では、核融合反応は起こらず、褐色矮星となります。
・太陽質量の0.08倍の質量以上8倍未満の星では、主系列星となって核融合反応を行た後、炭素を合成したところでそれ以上の反応がとまり、白色矮星となります。
・太陽の質量の8倍から10倍程度の星では、ネオンや酸素まで反応が進みます。この後は白色矮星になるか、超新星爆発を起こします。
・太陽の質量の10倍以上になると、核反応は鉄まで進み、その後重力崩壊を起こします。これにより超新星爆発が起こり、中性子星かブラックホールが誕生します。
超新星爆発のしくみ
超新星爆発とは、恒星がものすごく明るく輝く現象ですが、これが起こるしくみは2種類あります。それは、重力崩壊型超新星と、Ia型超新星です。ここではそれぞれについてそのしくみを解説します。
重力崩壊型超新星
重力崩壊型超新星は、太陽の8倍以上の質量をもつ恒星がその生涯を終えるときに起こす爆発です。
普通の星のエネルギーは、中心部での原子核融合反応により作られます。太陽の8倍以上の星では、
水素→ヘリウム→炭素→酸素→マグネシウム、ネオン、珪素などの重元素→鉄
の順に核融合反応が進んでいきます。鉄まで進むと、それ以上核融合反応は起こらないため、電子の縮退圧で支えられた状態になります。この鉄の部分が太陽の質量の1.4倍(チャンドラセカール質量)を超えると、重力崩壊が始まります。これが爆発の引き金となります。
この鉄コアは、重力崩壊によってどんどん収縮していきます。鉄コアは半径1万kmほどですが、それが一気に半径10km程の中性子星(あるいはもっと重い場合にはブラックホールになります。
さらに収縮すると核力という力がはたらくようになり、この力が重力崩壊を止めます。ここで、内側の重力崩壊は止まりますが、外側の重力崩壊は止まっていないので、内側と外側がぶつかり、衝撃波が生じます。衝撃波はいったん弱まりますが、ニュートリノ加熱によって、星の外側まで広がっていくことができます。この衝撃波が星の表面まで到達すると、星が膨張を始めます。これが超新星爆発の始まりです。
ちなみに、超新星爆発そのもののエネルギーは超新星が光る要因の一つではありますが、超新星の非常に強い輝きを生み出しているわけではありません。超新星が明るく輝く要因となっているのは、爆発で放出されたニッケルが約6日の半減期でコバルトに崩壊するときに放出するエネルギーです。
ニュートリノ加熱について知りたい方はこちらの記事をどうぞ。
Ia型超新星
Ia型超新星は、白色矮星が起こす爆発です。ただし、白色矮星の近くにもう一つ星がある必要があります。
白色矮星の近くに星があると、相手の星から質量をもらうことができます。こうして白色矮星の質量はどんどん大きくなっていきます。これが太陽の1.4倍程度の質量(チャンドラセカール質量)に近づくと、核融合反応がものすごい勢いで起きるようになります。これによって大量の核反応エネルギーが生じます。エネルギーは、粒子の速度を速めるため、粒子は星内部で猛烈に動き回ることになります。この動きは重力を簡単に振り切れるので、星はバラバラになってしまいます。これが超新星爆発として観測されます。
また、白色矮星の近くにある星がなんであるかによって、超新星になる過程が変わります。この過程は2種類あって、それぞれ単縮退、2重縮退という名前がついています。
近くにある星が主系列星や、赤色巨星の場合には、相手の星から放出されたガスが、白色矮星に降り積もります。
近くにある星が白色矮星のときには、白色矮星同士が合体するときに、軽い方の星が壊れて重い方の星に降り積もります。
もう少し詳しく知りたい方には、以下の記事をお勧めします。
まとめ
最後に確認テストを用意したのでチャレンジしてみてください。
より発展的な内容を知りたい方は、下の記事がおすすめです。
いかかでしたか?この記事が少しでもお役に立てていたなら幸いです。