星の等級の求め方
みなさんは星の等級をご存じですか? 星の等級は、星の明るさを表していて、おおいぬ座のシリウスは-1.5等級、オリオン座のベテルギウスは0.42等級です。 この記事では、星の等級とはなにかを解説します。
等級とは
等級とは、星の明るさを表す単位です。具体的には、「-1.5等級」「0.42等級」のように表します。このとき、数字が小さいほど明るい星であることを表しています。
みかけの等級
みかけの等級は、地球から見たときの星の明るさを表します。
絶対等級
絶対等級は、星を地球から10pc離れた場所に置いたときの星の明るさを表します。
みかけの等級の求め方
星のみかけの明るさは等級を使って表すことができます。等級は明るさが100倍違うと5等違うように設定されています。
星AとBからの輻射流速(届く光の強さ)をそれぞれFAとFBとすると、星のみかけの等級mAとmBの差は次のようになります。
\[ m_A-m_B=-2.5log\begin{pmatrix}\frac{F_A}{F_B}\end{pmatrix} \tag{1}\]
実際に星の等級を求めるときは、明るさの基準となる標準星が用いられます。標準星の一つとして、こと座のベガがあります。こと座のベガは0等級です。標準星を使うと、等級は次のように求めることができます。
絶対等級の求め方
天体を10pcの距離においたときの明るさを絶対等級Mと定義すると、みかけの等級mとは次の関係があります。
\[ M=m-5log\begin{pmatrix}\frac{d}{10}\end{pmatrix} \tag{2}\]
ここで、dはpc単位で測った天体までの距離である。
シリウスの絶対等級を求める
上の定義式を使って、シリウスの絶対等級を求めてみましょう。みかけの等級は-1.5等級、地球からの距離は2.6pcです。(有効数字は2桁ですので、答えは0.21、0.0023のように位を示す0を除いた2桁で書きましょう。計算するときは、有効数字2+1桁で計算するとよいです。)
\[ M=-1.46-5log\begin{pmatrix}\frac{2.6}{10}\end{pmatrix} \]\[ =-1.46-5×\begin{pmatrix}-0.585\end{pmatrix} \]\[ =-1.46+2.93 \]
\[ =1.47 \]\[ ≒1.5 \]logの計算は、PCなどでlog3などと入力してみましょう。答えが出てきます。
ベテルギウスの絶対等級を求める
続いてベテルギウスの絶対等級も出してみましょう。ベテルギウスのみかけの等級は0.42等級、距離は168pcです。
\[ M=0.42-5log\begin{pmatrix}\frac{168}{10}\end{pmatrix} \]\[ =0.42-5×\begin{pmatrix}1.23\end{pmatrix} \]\[ =0.42-6.15 \]
\[ =-5.73 \]\[ ≒-5.7 \]シリウスのみかけの等級は-1.5等級、ベテルギウスのみかけの等級は0.42等級で、みかけはシリウスの方が明るいですが、絶対等級はシリウスは1.5等級、ベテルギウスは-5.7等級で、ベテルギウスの方が明るいことが分かります。
最後に
等級についてもっと学んでみたい方は以下の記事をおすすめします。
いかがでしたでしょうか?この記事がお役に立てれば幸いです。